5.道



人が通るから自然に出来たのか
それとも人が通るために作られたのか

元々は獣の通り道だったのかもしれない
そこを通るのは人間だけではない

まっすぐなのもあれば曲がったのもあるけれど
そこを通らなければ目的地に辿り着かない

大勢の人が通る賑やかな大通りもあれば
地元の人しか知らないひっそりとした路地もある

アスファルトで綺麗に舗装されていることが多いけれど
無舗装の砂利道もまだ残っている

通過する人にとっては単なる経路の一部でも
そこに住んでいる人にとっては大切な生活の一部

車で通るのと歩いて通るのでは景色が違う
移動速度が印象を左右する

誰と一緒に歩くかでも雰囲気が変わるし
時間や季節によってもまるで生き物のように違う

新しい建物が出来てもあまり気にならないのに
今まであった建物がなくなると急に寂しくなる

何度も通るうちに無意識に記憶しているから
少なからず人格形成にも影響を与えているだろう

最終的にはどこに繋がっているのか分からないけれど
その先にはまだ見たことのない何かがある

それを「夢」と言ってしまってもいいのかもしれない
少なくともプラスイメージを抱かざるを得ない

4.桜



地名や通り名にもよく使われる
親しみのあるランドマーク

わりとどこにでも生えているのに
春になって花が咲かないと気付いてもらえない

花見の時だって意外とぞんざいにされている
まるで単なる口実のように

夏には鮮やかな緑
秋には紅葉だってするのに

一年の間で注目されているのはたったの半月ほど
花が散ると自然に忘れ去られる

それでも人々の期待に応えるように
毎年綺麗な花を咲かせる

川沿いの堤防に多く植えられているのは
見物客が地面を踏み固めるようにという先人の知恵

昔から桜の下には人が集まる
他の花にはない人を惹き付ける何かがある

元々花は白いのに血を吸って薄紅色になるという伝説も
儚い美しさに納得させられる

人の命に喩えられたり当落の表現に使われたり
日本人にとっては特別な意味を持つ

もし品種改良で散らない桜が作られても
誰からも愛されないだろう

新しい門出の時には必ず咲いているから
誰もが様々な思い出を持っているはず

3.猫



初めて家に来た時はおどおどしていて
物陰に隠れてずっと様子を伺っていた

人見知りが激しいけれど
一度心を開いた相手には甘え上手

昼寝をしている時間が長いけれど
起きたと思ったら急に走り回ったりジャンプしたり

夜は家族のみんなが寝静まってから
誰も見ていないところで一人で大運動会

ご飯は好きな時に少しずつ食べる
嫌いなものは平気で残す

魚よりも肉の方が好きだったり
アイスクリームの方がもっと好きだったり

人の話を全然聞いていないように見えて
本当は全部理解している

家の中にこもっている方が落ち着くのに
よく外に出たがる

狭い世界で暮らしているせいか
自分が一番強いと思っている

すごく自分勝手に見えて
実は空気を読んで行動している

愛情表現が苦手なわりに惚れっぽく
愛に飢えている

一人でも平気なはずなのに
目立ちたがりの寂しがり屋

2.犬



初めて家に来た時はまだソファに飛び乗れないほど小さかったのに
今ではリビングの一番いい場所で昼寝をしている

自分ではしゃべれないけれど人の話はちゃんと聞いていて
笑ったり悲しい顔をしたり

なぜかいつも家族の中心にいて存在感を発揮している
不思議な存在

散歩の時落ち着きがないのは他の犬のことを気にしつつ
街の平和を守っているから

引っ張りっことボール遊びが大好きで
忙しい時も遠慮なく要求して困らせる

食べることが最高の楽しみで何でも喜んで食べる
好きなものはひときわ嬉しそうに食べる

留守番は寂しくてもじっと待っていて
帰ると必ず玄関までお迎えに来てくれる

寝る時はいつも一緒で真っ先にベッドに飛び込んで
その大きな体で占領してしまう

叱った時は一瞬しゅんとなるけれど
しばらくすると何事もなかったかのように振る舞う

ちょっと抜けているのか忘れっぽいのか
それともとても性格がいいのか

尻尾の動きで感情表現をするのは愛らしいけれど
あまりにも強く尻尾を振り過ぎて飛んで行かないか心配になる

本当は力が強いのに人に従順な
永遠の友達

1.星



プラネタリウムですらあんなに幻想的なのに
晴れた日の夜空は言葉を失う

宝石によく喩えられるけれど
鉱物の集合体なんだから当たり前だよね

数えきれないほど多いけれど
人が住んでいるのはどれだけあるのかな?

自分たちだって綺麗な星に住んでいるのに忘れがちで
他の星の方が美しいと思っている

何十年も何百年も前の光を今見ているのって不思議だけれど
向こう側の人たちも同じように昔の地球の輝きを見ている

途方もない時間存在して途切れることなく輝き続けているのだから
本当に何でも知っていそうな気がする

自転や公転のおかげで見える星座が違うのって
まるでプログラムのあるイベントみたい

冬にはオリオン座
夏にはさそり座

オリオンはさそりに刺されて死んだと言うけれど
星座になっても逃げ回っているのはかわいそう

昔の人たちは今より澄んだ夜空を見て
いろんなことを想像してゆっくり語り合ったのだろう

流れ星に願い事をしても叶わないと思うし
人が死んでも星にはならないと思う

ただ黙って人の希望や悲しみを受け入れてくれる
今日も明日も
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プロフィール

佐々木 宏人

Author:佐々木 宏人
作曲家の佐々木 宏人です。
得意ジャンルは女性の歌ものっていう設定みたいですが、わりと何でも作れます。
生き方は不器用ですが、小手先はわりと器用です。
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